岡城5
三条実美 新国家建設の意見を募る

明治二年(1869年)己巳  久昭公 御年五十歳

   大政一新天下更始之折柄、内外多難深ク被

   悩

   宸衷、屡

   詔勅ヲ下サレ霽肝図治被為在候処、実美

   短才微力叨ニ重任ヲ辱メ、未タ丕績

   ヲ賛成シ、

   宸襟ヲ慰シ蒼生ヲ安ンスルコト能ハス、恐

   懼措トコロヲ不知次第ニ候得共、

   聖脊優渥御責任ヲ蒙り、且今度

   勅諭之旨モ有之ニ付テハ、弥以在職諸公

   及ヒ列侯卜共ニ、心ヲ同シ力ヲ戮セ、以テ

   今日ノ計ヲ為スニ非スンハ、焉ソ国勢

   ヲ挽回シ、万世ノ基礎ヲ立、

   皇国ヲ維持シ可申哉、今日ノ事、実美独り

   諸公侯列侯ニ望ノミニ非ス、諸公列侯亦

   臣子ノ責ニ候へハ、冀ハ倶ニ

   勅旨ヲ遵奉シ、各肺肝ヲ吐露シ、忌諱ヲ不憚、

   朝廷ノ為メ建議指画有之度候也

      四月      輔相

※政治体制を一新して、新しく政治を始めるにあたり、

 内外の問題を抱え、天皇は悩み多く、しばしば、詔勅を

出され自らも政務に励んでおられるが、補翼する実美は

才能なく微力で職責を果たせず、未だに大きな功績も

あげていない。  中略

 今日のことは、実美だけ、全国の諸侯のみの希望ではない。

 全国の諸侯もまた天皇の臣子として責任がある。

 願わくは共に勅旨を遵奉して、それぞれ腹蔵なく思いを

 吐露して、忌憚なく朝廷のために国家像を提案して

もらいたい。