岡城址19年秋25
久昭公 倹約と同時に人の情を説く

文久二年(1862年)壬戌  久昭公 御年四十三歳

一、十月 朔日 御意コレアリ、御書附左ノ通 (その4)

 一、文武修業之儀、年若之者共別而不可有懈怠、

武家隋弱之風俗我雑放蕩、深可戒事ニ候条、

何卒質直淳厚、礼譲を守、長幼之序明ニ有之度、

其父兄たるもの常々懇ニ可申教候

 一、連年勝手差支、四民扶助不行届、意外之事ニ候、

就而者質素倹約之儀度々申示候事ニ付、

此度別ニ不及沙汰候得共、此上精々省略勿論之事ニ候、

乍併一張一弛無之候而者、却而人情にもとり不宜候、

分限ニ応し、折ニ触れ、遊散人心鬱閉不致候様

   有之度候

※学問、武術を学ぶこと、特に若者は疎かにしてはならない。

   武士が脆弱になり、遊び惚けることは深く戒めるべき

ことである。率先して素直で、情に厚く礼儀を守り、

長幼の序のけじめをつけることを、その父兄は日頃から

懇(ねんごろ)に教えておくべきである。

※毎年会計に赤字が出て、領民の扶助が行き届かず、心苦しい

   限りである。なおもって、質素倹約を度々申し付けているが

   此度はとくに質素倹約を言わないけれども、これからも無駄を

   省くことは勿論である。

   しかしながら、一張一弛(いっちょういっし)時には働き、

   時には休むことが無いのは却って、人としての理に逆らい

   よろしくない。

   その者の身分に応じて、時にはなぐさみをして憂さを晴らし、

   鬱屈した気持ちにならないようにしたいものである。