文久二年(1862年)壬戌 久昭公 御年四十三歳
一、十月 朔日 御意コレアリ、御書附左ノ通 (その4)
一、文武修業之儀、年若之者共別而不可有懈怠、
武家隋弱之風俗我雑放蕩、深可戒事ニ候条、
何卒質直淳厚、礼譲を守、長幼之序明ニ有之度、
其父兄たるもの常々懇ニ可申教候
一、連年勝手差支、四民扶助不行届、意外之事ニ候、
就而者質素倹約之儀度々申示候事ニ付、
此度別ニ不及沙汰候得共、此上精々省略勿論之事ニ候、
乍併一張一弛無之候而者、却而人情にもとり不宜候、
分限ニ応し、折ニ触れ、遊散人心鬱閉不致候様
有之度候
※学問、武術を学ぶこと、特に若者は疎かにしてはならない。
武士が脆弱になり、遊び惚けることは深く戒めるべき
ことである。率先して素直で、情に厚く礼儀を守り、
長幼の序のけじめをつけることを、その父兄は日頃から
懇(ねんごろ)に教えておくべきである。
※毎年会計に赤字が出て、領民の扶助が行き届かず、心苦しい
限りである。なおもって、質素倹約を度々申し付けているが
此度はとくに質素倹約を言わないけれども、これからも無駄を
省くことは勿論である。
しかしながら、一張一弛(いっちょういっし)時には働き、
時には休むことが無いのは却って、人としての理に逆らい
よろしくない。
その者の身分に応じて、時にはなぐさみをして憂さを晴らし、
鬱屈した気持ちにならないようにしたいものである。




